森の助手日記 vol.22「森の出張授業と❝どんぐり団子❞」

先日、伊那西小学校へ「森の出張授業」を行いました。
この学校は、校舎の目の前にある約1haの森を利用した「自然科学に特化した学び」を行っています。詳しい内容ついては、こちらの記事に綴っていますので、興味のある方はぜひ読んでいただけると嬉しいです。今回は、小学4年生の生徒たちと一緒に「どんぐり団子」の授業を行いました。

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何で、"どんぐり団子"?
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この学年では、‟学年研究”という単元の中で「コナラの研究」を行っています。昨年皆伐をした‟きらめきの森”にて、ひこばえが出ているコナラを定期的に観察し、どのような変化があったのかを記録していきます。合わせて、毎年行っている原木シイタケ栽培を、‟学校内にあるコナラの木で賄うことが出来るかどうか(自給自足)”を検討することが、最終目標となっています。



そういった学びを行っていくために、まずはコナラの木がどんな木なのか子供たちに知ってほしいと先生から相談を受け、授業をさせていただくことになりました。

最初は、「コナラの利用」というテーマで、学術的な知識と合わせて、どんな風に暮らしの中で使われているのかということを説明しました。木は家具に使われたり、燃料になったり、葉っぱは畑の肥料になります。そして、昔に遡ると、ドングリは私たちにとって貴重な貴重な食料でした。(里山の暮らしについては、こちらの記事で少し紹介しています)



みなさん、ドングリが食べれることを知っていましたか?

身近に生えているドングリの木は、コナラやカシの木、クヌギ、といったところでしょうか。コロッとした見た目で、リスが美味しそうにほっぺたに沢山のドングリを詰め込んでいたり、美味しそうに食べていたり。私は、そういうイメージを持っていたので、てっきり美味しいものだと思っていました。小さい頃は、ドングリを食べたくて食べたくて、よく親に止められていたのを今でも覚えています。



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\\ ここでちょこっと森の豆知識  //

ドングリにはタンニンという成分が含まれています。これは、アクの主成分で、独特の苦みやえぐみの原因です。タンニンは水溶性なので、水にさらしてアクを抜くこともできますが、灰を入れて煮詰めると、簡単にあくを抜くことができます。

アクの強いどんぐりランキング(タンニンの量で比較)
1位 ミズナラ  6.7%
2位 コナラ   4.8%
3位 クヌギ   1.3%
4位 マテバシイ 0.5%

出典:「ものと人間の文化史 47 木の実」松山利夫著/法政大学

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てっきり美味しいものだと思っていたドングリは、実際はえぐみが強くて苦い食べ物でした。このアクを抜くためには、灰で煮たり、水にさらす必要があります。しかし、豊富な栄養分が含まれているので、昔の人たちは手間暇かけながらもこのドングリを食べていました。

このお話を授業の中ですると、「ドングリを食べてみたい!!」「食べたい食べたい!!」と生徒たちが口を揃えて言ってくれました。その結果、先生から特別に2コマの追加授業枠をいただき、どんぐり団子をつくることになりました。ドングリのあく抜きに1コマ、どんぐり団子をつくる授業に1コマ。今回は、どんぐり団子をつくる様子を、紹介したいと思います。

(あく抜きをする灰は、‟コナラの灰”を使いました。この灰は、他のものに比べてアルカリ性が強く、しっかりとアクを抜くことができます。空き時間を使って、担当する先生が必死に灰を作ってくれていました。)

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どんぐり団子の作り方
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白玉粉にお豆腐を入れて、耳たぶの柔らかさになるまで生地をこねます。そして、あく抜きをしたドングリを追加して、さらにこねていきます。

ころころ転がしながら、一口サイズに丸めて。

沸騰したお湯でさっと茹でる。

あんこやきな粉をかけたら、完成!(今回は、学校にあった‟きな粉”と‟すりごま”をかけました。)

ここで、ざっくりですが、どんぐり団子の作り方を紹介したいと思います。
ぜひ皆さんも、ぜひ身近なドングリを食べてみてください。温かい地域に行くと、マテバシイやスタジイといった木が生えているのですが、その種類のドングリはアクが少ないため、あく抜きをしなくても食べることが出来るみたいです。きっと、わくわくしますよ。

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\ どんぐり団子の作り方(まとめ) /

① 白玉粉とお豆腐を練り合わせて、耳たぶくらいの柔らかさに練ります。
 (お豆腐を入れると、冷めた時にも美味しく食べることができます)

② 練り合わせた生地にアク抜きを済ませたドングリを合わせて、更に練り合わせます。

③ ②の生地を一口サイズに丸めていきます。

④ 丸めた団子を、沸騰したお湯に入れて茹でます。

⑤ 団子が鍋の中で浮いてきたら、そこから約1分ほど待ち、素早く水にさらします。

⑥ 水気を切って、あんこやきな粉をかければ完成です。
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授業の最後で、子供たちが「すっごく美味しい!」「コナラの研究をしてて良かった!」と言ってもらえた時は、本当に嬉しかったです。
次回からは、毎年しいたけの榾木を購入している業者の方が講師となって、「原木しいたけ」の授業がはじまります。子供たちにとって、コナラの木が特別な木になってくれると嬉しいです。

あとがき

団子を盛り付ける時に、お皿の上に敷いた‟経木”。伊那谷のアカマツを使って、私たちがつくったものです(現在、正式販売を目指して準備中です)。その経木を子供たちにプレゼントしたら、まるで「キラキラシール(私が子供のころに、特別だったもの)」をもらったかのように、喜んでくれました。さらには、「ねぇねぇ、この模様がいいから交換しよ!」などと、まるでシール交換(私が子供の頃に流行ったもの)をするかの如く、盛り上がっていました。とってもとっても嬉しくなったと同時に、なんだかほっこりしました。