暮らしと森をつなぐ「経木」

昨年から、やまとわが生産に挑んでいる「経木」。

経木とは、アカマツなどの木を薄くスライスした紙のようなものです。

60年ほど前までは、おむすびを包んだり、お肉を包んだりと、暮らしの中で必要不可欠なものでした。

しかし、暮らしが便利になっていくにつれて、プラスチック製品がどんどん普及。

いつからか、暮らしの中から経木がなくなってしまいました。

そして、経木の生産をおこなっている工場は、指で数えられるほどまでに減ってしまいました。

やまとわ代表の中村は、長年、鉋(かんな)を使って家具をつくってきました。

鉋は、刃物を使って木を薄く削り、家具などの仕上げに使われる道具。

鉋と経木の生産機械、原理としては同じなのでは?という推測のもと、私たちは、長野市の信州新町で約80年以上に渡って経木を生産し続けている御年94才の山岸公一さんから、経木の生産機械を譲り受けました。

試行錯誤の日々

経木は暮らしと森をつなぐ道具です。

もう一度、この経木文化を復活させたいという強い想いの下、私たちの挑戦がはじまりました。

しかし、木をセットして、削ろうとしても、山岸さんのようにきれいな経木が出てきません。

最初は、くるくるまきの経木が沢山削れました。

どうしたら、ピンとしたきれいな経木になるんだろう?

試行錯誤の日々が続きました。

一時期、経木の生産に関わっていたあるスタッフが、経木の生産を「お母さんの料理の隠し味みたい」と表現していました。

簡単そうに見えて、いざやってみると中々その味を出すことができない。

経木は、絶妙な機械のバランスと、1つ1つ異なる木に合わせて生産していく職人さんの感覚が相まって成り立っているものなんだなということを痛感します。

試行錯誤をしながらも、月日を重ねるごとに、少しずつ、少しずつ質の良い経木を生産できるようになってきました。

今年の4月からは、経木生産専属のベテラン職人さんも仲間入り。

さらにパワーアップしました。

【写真】鉋削りの名手であり、漆製品の生産に携わっていたベテラン職人の酒井さん。経木の生産は初挑戦ですが、日々ひたむきに生産に取り組んでいます。

伊那市内の飲食店へ、市が無料配布

私たちの拠点のある伊那市は、「50年の森ビジョン」というものを定めています2065年までに、森林を活かした豊かな暮らしをしていこうという市独自の指針です。

これに基づき、伊那市では地域産材をもっと有効活用していこうと様々な取り組みを行っています。その一環として、この「経木」にも注目してくださり、地域への普及に向けて温かいサポートをしていただいています。

その1つとして今回、伊那市内の伊那飲食店組合や伊那市第一飲食店組合をはじめとした約550店舗に経木サンプルが配布されることになりました。また、各事業者にアンケートを実施、要望があれば追加で20枚配布されます。

この取り組みとは別に、個別に連絡をしていただき、既に使っていただいている市内の飲食店やお菓子屋さんもあります。

伊那谷のアカマツがこうして、伊那市のお店で使ってもらえていること、とてもとても嬉しく思います。

まだスタートしたばかりで試行錯誤の日々が続いていますが、もっと広く経木をつかっていただけるよう、これからも経木の生産に挑んでいきます。

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 各新聞社やメディアでも紹介していただいています!

Nagano Nippo Web
http://www.nagano-np.co.jp/articles/62802

伊那谷ねっと
https://ina-dani.net/topics/detail/?id=56043

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