助手の森日誌Vol.2 「2018年KOA森林塾スタートしました!(1日目)」

森林塾1日目/「木を売るを体験する、現場見学」

皆さま、こんにちわ。
森事業部の榎本です。
昨年の6月に「助手の森日誌」というものを書かせていただいて以来、
すっかりご無沙汰してしまっていました。すみません。

昨年度まではインターン生として森林塾に関わっていたのですが、
4月から正式に社員として森林塾に関わらせていただけることになりましたので、
今後も「助手の森日誌」を綴っていきたいと思います。


今回は4月14日~15日にかけて開催した、2018年最初のKOA森林塾について。
2日間共に濃密な内容だったので、1日目(木の利用現場見学)と2日目(森林調査)に分けて記事を書いてみようと思います。

どうかお付き合いください。

午前8時20分、鳩吹公園にある山小屋から今年も森林塾が始まりました。

今年は「親から山を引き継いだので、森林塾で技術を学び、出来れば自分で手入れをしていきたい。」という方や、「山で木を伐るスキルを身に付けたい。」という思いのある方々が参加してくだしました。

見学へ行く前に、講師の早川先生から日本全体の林業界の動向や、伊那谷の林業の特色についての講義がありました。
昔はヒノキ材が1㎥何万もの価格で売買されていたが、現在では4千円/㎥ほどとのこと(平成29年度伊那木材センターのデータ参照)、伐倒・搬出にかかる経費、人件費等を具体的に説明いただき、如何に今、林業界が厳しい状況にあるのかというお話がありました。

しかし、伊那市には森林塾OBをはじめとした思いのある山師が多く、山側と利用側、木に関わる他業種の方々が連携をしながら、少しずつではあるが地域内で木とお金を回しているという地域材活用の可能性についての明るいお話もありました。

伊那谷の林業について学んだら、いよいよ見学へ出発!
午前中は、薪ストーブを販売している株式会社DLDへ伺いました。

株式会社DLDは、薪ストーブの販売を軸に「薪の宅配サービス」というサービスを10年前から展開されています。
「薪の宅配サービス」とは、当時利用の少なかった針葉樹(アカマツ・カラマツ・スギ・ヒノキ)に付加価値を付けて、薪ストーブユーザーへ届けるという革新的なサービスです。
薪ストーブが欲しいけど薪を作るのが大変という方にとても重宝されており、薪ストーブ使い続けるモチベーションにも繋がっているようです。

薪の宅配サービスによって新たに50名以上の雇用が生まれ、年間約3000㎥もの木を消費しているとのこと、新たな流通システムを構築された功績はとても大きいと思います。

分かりやすく、丁寧にご案内してくださった高橋さん。
高橋さんも学生時代に林学を学ばれていたとのこと、ご自身の経験も踏まえて如何に木の「出口」が大切か、その重要性についてお話をされていました。

「薪は、すぐそこある山に生えている木を伐りだしてきて、エネルギーとして使うことができます。大きな工場も機械も必要ありません。誰にでも簡単にはじめることができる、現代の山にも環境にも優しいエネルギーなんです。」と、力を込めてお話してくださいました。

午後は、有賀製材所へ。

有賀製材所は原木市場や地域の山師などから様々な樹種の地域材を購入し、色々な用途の材に挽いた後、その材を使って自社で住宅の設計・施工まで行っています。
近頃では地域の工務店にも建築用材を卸しているそうで、「入口」から「出口」まで一貫した取り組みを行っている貴重な製材所です。

有賀さんのご厚意で製材の現場も見せていただくことができました。
1本の丸太から、無駄なく様々な用途の材が挽かれている様子に参加者たちも興味深々。

今から約40年前は、外材を使うことが主流でした。
しかし、そのもっと前は自分の山の木を使って家を建てるのが当たり前の時代だったそうです。
その当時、製材所の役割はお客さんが持ってきた丸太を挽く「賃挽き」が主な仕事だったと有賀さんは仰っていました。
しかし、高度経済成長と共に「賃挽き」の文化は衰退し、すぐそばにある山の木ではなく、遠く離れた異国の木を製材して使っていくことに違和感を覚えた有賀さんのお父様の代から、地域材に特化して製材していこうと決められたそうです。
今では100%地域材を使用とのこと、先代から受け継がれた思いが、現在も脈々と受け継がれている素晴らしさとその思いの尊さを感じました。

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今回見学した株式会社DLDと有賀製材所は、共に「木の入口と出口を用意して、地域でその土地の木が消費される仕組みづくり」をされていらっしゃいました。

そして、その中には「山主や山師、そして木に関わる人たちと連携しながら、協力しながら山を盛り上げていきたい」という思いがあるように感じました。

有賀さんが「製材所は、山と地域をつなぐとても重要な仕事。だから、木を伐る人、大工さん、地域の人、色んな人とお付き合いしているし、人と人とのつながりをとても大切にしています。」と頻りに心を込めて仰っていた姿がとても印象に残っています。

林業、山仕事は、様々な人のつながりがあった上で成り立っている産業です。
2社ともに伊那地域の特徴と、人のつながりを大いに活かしてビジネスを展開されており、とても勉強になる有意義な見学になったのではないかと思います。

さて、次の記事ではこの見学で学んだことを踏まえて実際に森へ入り森林調査を行った報告をしたいと思います。

また、森林塾への参加申し込みも随時受け付けておりますので、興味を持ってくださった方はやまとわまでお問い合わせください。
皆さまと一緒に伊那の森へ入れることを、心から楽しみにしております。

助手の森日誌Vol.3「2018年KOA森林塾スタートしました!(2日目)」に続く